半帖庵


■ひとりねの

ゆえしらぬ かなしみを
みにまねく ごぜんにじ
ひとりいて なつのよに
みをひたす きもそぞろ

ゆえしらぬ かなしみは
ゆえしらぬ ところから
あたらしい おもいでは
なつかしい きおくから

さようなら おとこたち
さようなら おんなたち
ひとりいて すごすよに
よこたわる きはそぞろ

ゆえしらぬ かなしみを
みにまいて あさをよぶ
とりはとぶ ねこはねる
むしはなく ひとはいる

こんにちは おとこたち
こんにちは おんなたち
あさがきた よるがきた
かなしみが やってきた

ゆえしらぬ かなしみで
かなしみを かなしんで
かなしみの うたうたう
なんという かなしさか

さようなら わるいゆめ
こんにちは いまのここ
ゆめならば さめたまえ
さめてなお さめたまえ

ゆえしらぬ かなしみの
ゆめごごち ごぜんにじ
ひとりねの なつのよは
みるゆめの きもそぞろ

2008年06月17日 | うた

■みち草くいに

地図にない街の、みち草くいに
徒歩で三時間、みち草くいに
やぶをつついて、みち草くいに
やぶからぼうに、みち草くいに

夜明け
小鳥ばかりが、うきうきさわがしい
敷石道の曲がり角
ぼくは、あなたと みち草くったね

たんぽぽ、いたどり、すべりひゆ
行ってしまった日だけれど
敷石道の曲がり角
ぼくらは、みち草くったのさ

散歩のついで、みち草くいに
めぐりめぐって、みち草くいに
はなうたまじり、みち草くいに
ヤセテも カレテも、みち草くいに

ゆうべ
子犬ばかりが、そわそわにぎわしい
十二丁目の交差点
ぼくは、あなたと みち草くったよ

よもぎ、くろーばー、ゆきのした
名を呼びながら、つみながら
十二丁目の交差点
ぼくらは、みち草くったのだ

みち草ほんのり、ほろにがい
みち草ほろよい、こきみよい

花もはじらう、みち草さ
花も実もある、みち草さ
ハァ、ビバノンノン

気をつけてー 誰かが Watching you
ジャン・ドン・サー、ジャン・ドン・サー
プリシラ〜、ぼくを見ないで… 花を摘もうよ

2008年06月16日 | うた

■半帖一句

ごおごおとゆきてもどらぬ風薫る
2008年06月12日 | うた

■あくびでもするみたいに…

あくびでもするみたいに
夏は、おおきなくちをあけている
休みの国の少年を、さそうように
友の呼ぶ声で呼んでいる

ささやかな話でもするみたいに
こもれびは、したしげな不確かさでゆらいでいる
鳥たちの音楽とともに
草のかおりでみたされると

夏は、いつまでもうたにつつまれた
どこまでもおだやかな昼さがりに
くりかえし、くりかえし、くりかえし

ことばならぬ、ねがいばかり響いていた
あの日とおなじ新しさで、くもをこえ、そらをこえ…
休みの国の友を呼ぶ声で…

2008年06月07日 | うた

■夜に泣いている

だれもいない
夜に吹いている
そよ風は

ふらふら
夜に揺れている
草の葉は

つゆをまいて
夜に泣いている
星の実は

だれにも知られず
朝を呼んでいる
かがやきながら

2008年06月06日 | うた